弓で演奏する弦楽器を拉弦楽器という。現在の拉弦楽器の大半は、胡琴の流れを汲んでいる。
◆古琴
◆二胡
◆京胡
◆高胡
◆馬骨胡
胡琴*1の前身は唐代に出現した奚族の奚琴に求めることができる。奚琴は二本の弦を有し、竹片を用いて二本の弦の間をこすって弦から音を出させる。
(以上、人民音乐出版社『中国乐器介绍』より)
南宋になって、胡琴は比較的広まっていた。中国は大量に生糸の弦を作っており、南宋が臨安(今の杭州)に遷都したとき、絲弦はまた「杭弦」とも呼ばれるようになった。
元代、少数民族の文化と中原の文化が広く交流し、溶け合った。このとき、胡琴はもともとの土台に加えて、蒙古族の弾弦楽器の特徴を吸収して作られた。その形と構造は、今日流行っている龍頭二胡にすでにかなり近づいている。甘粛省楡林の石窟の元代の壁画の中に、一人の楽人が楽器を演奏しているものがある。首の部分は巻いており、二弦で、弓で演奏している。元代の胡琴は宴楽の中で独奏または合奏に用いられ、軍隊の演奏活動でも広く使われた。元代から、胡琴の名は次第に弦楽器の通称となって広まった。
明代には胡琴は劇曲・曲芸・民間器楽が繁栄するのに伴ってさらに発展した。『麟堂秋宴』の図の中で、一人の子供が巻首・龍頭・二弦の胡琴を、馬尾弓を使って演奏している。
明末・清初には、胡琴はチベット区巴塘(今の四川西部)に至り、民間の芸人から歓迎され、現地の材料を使った牛角胡琴となった。当時作られたチベット族の民間歌舞弦子は、胡琴の伴奏で有名になったのである。
清代には、もともとの胡琴や二胡以外に、四弦の四胡、京劇の伴奏をする京胡、拍子木劇で伴奏する板胡が出現した。様々な地方での劇曲の伴奏や民間器楽の需要に合わせた演奏をするため、形や構造が異なる胡琴類の拉弦楽器が次々と発表された。広東の粤胡、湖南の大筒、河南の竪胡、蒙古族の馬頭琴、壮族の馬骨胡などである。
胡琴類の楽器は表現力が豊かで、様々な弓法を使うことができ、運指法で深く入念に音楽の内容を表現できる。民間で広く伝わったため、民間芸人の想像した特殊な表現技巧は、各種の人間の声調・節回し・せりふ・笑い声、自然界の鳥やけものの鳴き声等々をまね、一種独特の表現力を有し、趣に富んでいる。
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