昨晩、女子十二楽坊は福建省体育館で新年コンサートを開き、「茉莉花」など11曲を演奏した。この寒さがしみるクリスマスの夜、彼女たちのもたらす一風変わった音楽は暖かく、あでやかで、エネルギーに満ちていた。
昨日午後2時、飛行機から降りてきたばかりの女子十二楽坊は、宿泊ホテルで記者の特別取材を受けた。取材は、女の子たちと食事をしながら行ったので、女の子たちの軽快で抑揚のある声が麻雀の音に混じってひっきりなしに響き、ちょっと奇妙な感じがした。まるで陽春白雪の民楽が「ふつうの庶民の家に飛び込んだ」ようなものだ。
記者:かつてみなさんは「わたしたちの音楽は12杯の異なった味のカクテルで、そのため、観客のさまざまな好みを満たすことができる」とおっしゃっていましたね。この12杯のカクテルの味とは、具体的にどういうものですか。
女子十二楽坊(以下「楽坊」と略称):もともとの話はそういうことではなくて、ある記者がわたしたちに言ったんです。「もしあなたがたを酒にたとえるならば、あなたがたは純粋でない蒸留酒みたいですね」と。わたしたちは、このたとえは奇妙なものだと思いました。「どうして蒸留酒なんですか? わたしたちは、カクテルですよ。きれいで、気高く、おまけにおいしい」って(笑)。味が違うというのは、わたしたち一人ひとりが音楽に対する認識が違っていますし、感性とやり方も違っています。でも、わたしたちは全体で一つのもの、共通するものがもっと多いんです。当然、一人ひとりが個性を持っています。
記者:みなさんは国内で最も人気ある女性グループで、アルバムは日本で200万枚以上売れました。みなさんご自身は、このように幸運に恵まれたのはなぜだと考えていますか?
楽坊:わたしたちが結成されたとき、社長は、わたしたちの音楽は中国人が喜ぶだけでなく、きっと人気が出ると考えていました。わたしたちの音楽は非常に独特なもので、中国の民楽の精華があると同時に、流行的な要素もあります。
記者:みなさんの人気が出た後、国内には非常に多くの類似グループが出ました。たとえば「芳華十八」「女子蜀楽」などです。みなさんはどう見ていますか?彼女たちに何か言いたいことは?
楽坊:これはわたしたちが非常に成功したという立場を証明するものです。すでに自己ブランドを確立したのです。これはとてもよい現象で、女性グループがどんどんできることは、よい市場を生み出すこととなるでしょう。提案としては、最も重要なのは、それぞれ独自の風格です。わたしたちの音楽は、みなさんが聴けばこれは女子十二楽坊の曲だとわかります。彼女たちももしそういうふうになれば、半ば成功したといえるでしょうね。
記者:皆さんは12月22日に香港で黄霑(ジェームス・ウォン)追悼活動に参加されました。内地から唯一招待された芸能人として、そのときのことを教えてください。
楽坊:わたしたちは黄霑さんが生前最も満足していた作品の一つ「両忘烟水里」を演奏しました。わたしたちは黄霑さんとは切っても切れない縁があります。わたしたちは黄霑さんの多くの曲を演奏してきました。たとえば「私的中国心」など。黄霑さんは生前民楽が好きで、わたしたちを尊重し、生前には多くの励ましの文章を書いてくださいました。
記者:みなさんは黄霑さんについてどう考えていますか? どのように評価していますか?
楽坊:黄霑さんの「上海灘」「滄海一声笑」は「古典中の古典」ですね。その歌詞はすべて平等・博愛・相互関心を主題としていますし、彼こそは一人の穏やかで包容力のある心の広い方だと思います。
記者:みなさんの新アルバム「敦煌」は来年二月に全世界に発売されますが、日本の音楽家・喜多郎と梅林茂が新アルバムの「大地軽声」と「Lovers」を作曲しています。どうして日本の音楽家に作曲してもらうのですか?
楽坊:喜多郎さんは中国文化を非常に理解している作曲家です。日本人は敦煌に思い入れがあって、「大地軽声」は喜多郎さんの目に映った敦煌、そして中国文化への理解を表現しています。
記者:みなさんが理解した「大地軽声」は何を表現していますか?
楽坊:この歌のメロディーは非常に優美です。敦煌はかつてこんなに光り輝いていました。今は荒涼としています。まるで老人がゆっくりと思い出し、歴史のよどみと感懐を抱いているようです。
記者:このアルバムは520万元かけて敦煌でMVを撮影したということですが、敦煌ではどんな思い出がありますか?
楽坊:「苦」の一字でしたね。わたしたちは敦煌でもっともつらい「魔鬼の城」で撮影しました。そこの天気はすぐに変わり、撮影後、わたしたちはみんな皮が一枚むけてしまいました。毎日午前三時から三時間車に乗ってそこに行きましたが、ぶ厚い軍のオーバーを着てもまだ身震いしていました。「飛天」のシーンを撮るとき、4・5級の大風が吹いてきて、全天の砂のために目を開くこともできませんでした。また、薄い衣装を着て、いろんな表情をしなければなりませんでした。こんな経験はわたしたちの人生でも一回きりでしょう。
記者:そんな環境で演奏するのはまた違った感じではありませんでしたか?
楽坊:わたしたちはさらに深く作曲家がどうしてそのように書いたのかを理解しました。その感覚はどんな言葉を用いても表現できないものです。
記者:今月初め、みなさんはグラミー賞二部門でノミネートされていましたが、最終選考には残りませんでした。どのような感想がありますか?
楽坊:まず自然な反応としては、残念というものでした。しかし、とても誇らしいことです。これはわたしたちの実力が肯定されたということだからです。幸い、わたしたちはまだ若いですから、チャンスはいくらでもあります。
記者:みなさんはグラミーをどのように見ていますか?
楽坊:それは世界音楽の最高の賞であり、自分の実力を証明する場でもあります。いつかは中国にも独自のグラミーができるといいですね。
記者:みなさんの革新は称賛も勝ち得ていますが、多くの批判も受けています。どのように評価していますか?
楽坊:批評家達は、ちょっと角度を変えてみるといいと思います。わたしたちが獲得した成功は、表面的には音楽のものですが、実際には多くの外国人が、わたしたちを好きになることから中国を好きになっているのです。たくさんのファンがわたしたちに手紙をくれます。彼らはわたしたちを好きになったので中国語を勉強し始め、ある人はわたしたちのために中国留学までしたのです。今、中国には韓流がありますが、若い人はアメリカの音楽が好きです。わたしたちはいつか海外にも「中国民楽流」がもたらされるといいなと思っています。
記者:杭州のコンサートでは2000枚以上のチケットが日本・アメリカの旅行者あるいは個人によって買われましたが、国内の個人消費者がコンサートに示す興味は大きくないようで、みなさんはこの状況をどう考えていますか? どのように見ていますか?
楽坊:あのコンサートの最高チケットは2000元で、あまりにも高すぎる可能性がありますね! また、原因の一つとして、国外では予約してチケットを早めに買う習慣があります。わたしたちのコンサートも、彼らは三カ月前から購入するのですが、中国人は早くて二日前にようやく買うわけです。それに、杭州という地方の状況がすべてを代表するわけではありません。深圳公演のときには8000枚のチケットが売り切れ、わたしたちが友達に送るチケットさえ残らなかったのです。
記者:なぜ外国ではみなさんの熱心なファンがいるのに、国内では比較的冷淡な状況なのでしょう?
楽坊:民楽は中国で最も伝統的なものであり、数千年来、いろいろな革新がなされてきました。中国人はこのような「革新」を多く見てきたので、ちょっとやそっとでは動じません。チャイナ・ドレスみたいなもので、さらにどんなに変わったとしても大して新しいアイデアには見えないのです。これと同じで、中国人はフランスのファッションの大家のデザインは新味があると感じますよね。また、別の原因もあります。わたしたちは大部分、外国でコンサートしていて、国内の観衆はわたしたちを理解する機会が少ないんです。
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