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Hello Mr.Asian! 伊丹谷良介 in Roppongi

 11月10日、アジアへ目を向ける日本のミュージシャンが六本木に集まった。かなり遅くなったが、六本木Morphで開かれた "Hello Mr. Asian Tour 2004 in TOKYO" の模様をレポートしよう。

 「GYPSY QUEEN / アジアの朋友たちへのメッセージ」でレポートしたGYPSY QUEENのライブで「次は11/10六本木」とのことだったので、有無を言わずに即、行くことを決めた。それがどんなコンセプトかも確認せずに、ただGYPSY QUEENが出るというだけで決定したのである。

 その日は4グループ出演して、メインはGYPSY QUEENではないらしい……というのだが、あまり気にせず会場に向かった。それがいい方に裏切られるとは思いもせずに。


LIZ――明るい歌声と爆笑のMC

 最初に登場したのは、奈良からやってきたという癒し系ポップスユニットLIZ。関西圏を中心に活動しているようだが、青島・北京でもライブを開いたり、ワシントンDCの全米桜祭りにも3年連続出演という意外な国際派。

 ボーカルのMikuの歌声は伸びやかで明るく、声量も音程も安定していて気持ちがいい。ギターのYusukeのつむぐメロディがその歌声とぴったりのハーモニーを奏でていく。リズミカルな曲もあり、落ち着いた聴かせる曲もあり。

 ……だが、何といっても特筆すべきは、曲間のMikuのMCだろう。はっきり言うてあんた吉本の回しモンかいなちゅうくらいベタベタの関西ノリのしゃべくりには、ほんま笑いましたわ。テンポずれまくりやし、歌も歌えるコメディアンなんか話もおもろいミュージシャンなんかわからんくらいやがな! 曲のイメージぶちこわしやで! それがオモロイちゅうか思いっきり印象に残りまくったけどな!

 ところが歌に戻ると一瞬で雰囲気が変わるのだった。まさに実力派。これからの活躍が楽しみである。

Genius

 2つめのグループはGenius。突然女子高校生軍団が増えて会場内の平均年齢が一気に下がる。

 ……ごめんなさい、ロックバンドとしては楽しめたのだけれど、ただ、ここで取り上げるバンドとしてはちょっとジャンルが違うようなので、簡単に済ませたい。

迷える子羊の素晴らしき日々

GYPSY QUEEN――康定情歌は何度聴いてもカッコイイ

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 さて、いよいよGYPSY QUEENの出番である。「他のバンドの雰囲気に合わせて、ロックメインで」という話だったのだが、ボーカル・しのんさんの迫力ある歌声が響き渡る。高校生の多くが帰って年齢層が多少上がってきたが(笑)、むしろ大人のロックの雰囲気が漂ってきた。

 前回のライブ(詳細はGYPSY QUEEN / アジアの朋友たちへのメッセージ)のときと比べると曲数ははるかに少なかったが、GYPSY QUEEN版「康定情歌」を再び聴けたのはよかった。この曲だけは、CDではわからない。ライブのあの生の勢いが最高だ。

 GYPSY QUEENは何度でも生ライブで聴きたくなる。さらにメジャーになるためにはいろいろと必要なものもあるかもしれないが、とにかく歌によって伝えたいものがあるという思いがあるのが一番の強味である。

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Wired

伊丹谷良介――迫力のMr. Asian

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 さて、GYPSY QUEENも終わったのだが、最後に控えていたのが実は今日の大本命、伊丹谷良介。他の3バンドもすべて伊丹谷さんとの縁で出演したというものである。そもそも、今回の "Hello Mr. Asian Tour 2004 in TOKYO" そのものが、伊丹谷良介アジアツアーの東京公演という位置づけなのだった。香港と日本でそれぞれ中国語盤・日本語版のアルバムも発売され、中国をメインステージに活躍の場を広げようとしている伊丹谷良介の出番である。

 幕が開くまでしばらく待たされたのだが、出てきた途端――そのブーツの高さは何だ!というド派手な衣装。そして、観客をノセるサービス精神旺盛なステージ。カッコイイというか楽しそうというか、いきなりハーモニカを拡声器つきで吹き始めたり、パフォーマーぶりを見せつけてくれる。

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 途中で「中国のロックはこの曲から始まりました」と、崔健の「一無所有」のカバーを歌ったり(楽坊ファン向けに注記しておくと、これこそプロデューサー王暁京の初仕事となった曲である)。この曲が登場する以前、中国ロックというジャンルは認知されていなかった。今、伊丹谷さんやGYPSY QUEENのように、日本人だが中国やアジアを舞台に活躍しようと考えているミュージシャンは、まだまだ少ない。ファンキー末吉覚氏がかろうじて名前を知られているが、もともとの爆風スランプの知名度が大きい。アジアデビューで逆輸入される日本人ロックミュージシャンという分野はこれからの世界だ。「一無所有――俺には何もない」を歌うのは、中国ロックへのオマージュというだけなく、新しい道筋を開拓していかねばならない彼の決意のほどを示しているのかもしれない。

 会場と一緒に盛り上がるステージは、やがて最後にメインの曲、"Hello Mr. Asian" を迎えることとなった。これまでに出演した3グループも舞台に戻り、狭いステージ上ではね回る。Hello, Mr. Asian……日本というような狭い枠組みなどどこかへ吹き飛んでしまうエイジアン・ロックが炸裂する。

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 すっかり盛り上がったままライブは終わったが、その直後、会場には一つの映像が流れ始めた。1年前、上海新天地で開かれた2003年カウントダウンライブの模様だ。数万人を前に、世界4億人に流されたライブで、伊丹谷良介は劉徳華や王蓉とともに出演、Hello Mr. Asianを熱唱した(中国語記事:写真付き→刘德华、王蓉等出席上海新天地守岁仪式)。その映像はやはり衝撃的だった。この六本木の狭いライブハウスで、(文字どおり)手の届く距離で歌っているというのは、はっきりいって彼のポテンシャルからいえば役不足である。

 まあそんなこんなで、終わった後は写真を撮らせてもらったりしたわけだが、「Hello Mr. Asian」はいい曲なんでおすすめです。

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Photo by icygirl, xiele!



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